ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2015.4.19 05:13日々の出来事

本が読めないことの焦り


わしは例の大作、スタッフも4月いっぱいで完成させるつもり

かと思っていた。

だとしたらもう2週間もない。

当然、今日も出勤してやってるだろうと思ってたら、全員休み

である。

どうなってるんだと思いチーフに連絡取ったら、510日前後

までかかると言う。

 

だが5月末に振り替えのゴールデンウィークを取ると言ってた

はずで、そのためには「SAPIO」を16日までに上げるよう

言っていたはずだ。

だがチーフは25日締め切りのつもりでやっていると言う。

それではもう長期休暇が取れない。

 

わしは5月末に1週間以上の休暇を取って、海外で本を読み

まくろうと考えていたのだが、全部キャンセルしなければ

ならなくなった。

 

スタッフは家庭を持ってサラリーマン化しているが、わしは

そうはいかない。

日曜祭日関係なく仕事を続けて、長期休暇で一気に本を読む

というやり方をしなければ、仕事のためのインプットがない

ままに、一方的にアイデアを出し続けなければならない。

それは可能か?

 

小説家なら12年の読書量で作品を書きはじめるだろうが、

それは印税を一人の収益にできるからである。

漫画家はスタッフなしでは成立しないから、印税は給料や

ボーナスに消えていく。

スタッフを食わせるために、描き続けなければならないのだ。

1年もスタッフを遊ばせて、わしだけ本を読んでいるなんて

ことは出来ない。

 

ジレンマなのである。

仕事のために読まねばならぬ本だけでも50冊くらいある。

将来のために読みたい本だって50冊くらいある。

ソフトの部分の蓄積が必要なのに、その時間が取れない。

わしの最大の悩みである。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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